2009年3月号 妊娠中の感染症

30年くらい前、妊娠していた助産師さんが「妊娠中病気にならないように気をつけるのは大変ですね」と言っていたのを思い出します。妊娠中の薬の摂取については、妊婦のみなさんはとても気をつかわれます。

よくある質問に、「妊娠に気づかずに薬を服用してしまった」、「胃のバリウム検査をした」などがあります。妊娠の可能性のある女性はいつも最後の月経を覚えておいて、薬やレントゲンによる検査には十分注意して欲しいと思います。検査を受けていい時期は、月経終了日より1週間くらいです。その間に服用した薬、レントゲン検査は問題ありません。たまに妊娠(にんしん)悪阻(おそ)(つわり)からくる吐き気や嘔吐の症状について、胃が悪いのではないかと胃のバリウム検査をしてしまったという女性がいます。このようなことを防ぐためにも、妊娠可能な年齢の女性であれば、常日頃から最後の月経はメモしておくなどの注意が必要です。

薬の服用が難しい妊婦さんですが、いろいろな感染症にかかる可能性はあります。今の季節であればインフルエンザですね。妊娠中の方にワクチン接種を通常は勧めませんが、インフルエンザについては例外です。妊婦さんとその周囲の人たち・授乳期のお母さんには勧めています。今年もたくさんの妊婦さんがワクチン接種をしました。

ワクチン接種についてもリスクとベネフィットを考えます。妊婦さんがインフルエンザにかかると、本人が辛いだけではなく、薬の服用やインフルエンザウィルスによる胎児への影響(リスク)も考えなくてはなりません。インフルエンザに罹患することよりもワクチン接種による影響はずっと少ないので、ワクチンを勧めるようになりました。去年、当院でみていた妊婦さんが、「夫婦と上のこどもはインフルエンザにかかったが、赤ちゃんはかからなかった」と言っていました。その後の医学ニュースで、妊娠中のワクチンは新生児への予防効果もあると記事がでていましたので、彼女が報告してくれた通りだなと思いました。

インフルエンザのワクチン接種についても、妊婦検診をされているドクターと相談し、納得したうえで接種してはいかがでしょうか。

アイル女性クリニック 院長 加藤季子

投稿者 セメント商工健康保険組合 : 2009年02月15日 08:00 : 無断転載を禁じる