2008年9月号 タバコについて

今回は女性外来の大切な仕事の1つ「禁煙」についてお話します。

5月30日は、世界禁煙デーでした。この禁煙デーもだいぶ認識され、各地で禁煙運動が行われるようになりました。タクシーや公共施設、ホテルなど日本でも禁煙となる場所が徐々に増えてきています。

日本では、以前多かった成人男性の喫煙率が減少しています。しかし、問題は女性の喫煙率が低下しないことです。男女平等の流れから、女性も社会で活躍する場所が増えました。しかし男女平等とはいえ、この喫煙については好ましくありません。そのため、私のクリニックでは機会を見つけては患者さんに禁煙を勧めています。喫煙により影響を受けたいろいろな臓器の写真や報告書などを示しながら、禁煙をするように勧めています。このような話を患者さんにすると、「女性の体にそんな影響があるとは知らなかった」という答えが返ってくることがしばしばです。 

今まで日本では、タバコの影響について、「吸い過ぎに注意しましょう」、「未成年は吸わないようにしましょう」くらいでした。しかし、欧米ではタバコのパッケージにいろいろな体への害について写真入で記載されています。そして、タバコ代も高くしてあります。パッケージには、口の中、舌、咽頭、食道、肺などのがんはもちろんですが、歯槽膿漏より歯が脱落した状態や閉塞性肺疾患(肺が硬くなり呼吸が苦しくなる状態)、骨粗しょう症、男性ではインポテンツなどもあることが書いてあります。こどもへの影響としては、喘息や新生児突然死症候群などさまざまで、「これでも喫煙しますか?」という感じです。

女性ではそのほか月経不順、排卵障害などによる不妊、骨粗しょう症。喫煙者の妊娠では、胎児発育不全や早産、低体重児などがあります。

タバコにより血液も固まりやすくなり、心筋梗塞・脳梗塞などの危険性も高くなります。そのため、低容量の避妊薬や更年期障害が辛いときに使用されるホルモン補充療法にも使用制限が出てきます。

最近、若い女性をタバコから守りたいという新聞記事も出ていました。禁煙するとその日から、いろいろなリスクが低下します。今さらと思わないで、1日でも早い禁煙をお勧めします。

アイル女性クリニック 院長 加藤季子

投稿者 セメント商工健康保険組合 : 2008年08月15日 18:19 : 無断転載を禁じる