2008年8月号 「乳がん」について

ずっとがんの話が続いていますが、もう1つ、一番働き盛りの女性に多いがんである乳がんについてお話します。

乳がんと闘って24歳の若さで他界した女性の闘病生活のドラマを見た女性も多かったようですし、乳がんの話を身近に聞いている人も多いのではと思います。乳がんは20代にはまれですが、30代から徐々に増加し、40代から50代にピークとなっています。

1996年より日本でも女性が罹るがんのなかで,乳がんが1位となり、20人に1人が乳がんに罹るといわれる時代になりました。05年には年間の発症者は約4万人、死亡は約1万人になっています。

欧米では、女性の7から8人に1人という日本の3倍の罹患率ですが、90年から死亡率は減少しています。この理由は欧米での乳がん検診受診率が80%と高いためといわれています。しかし、日本では20%弱となかなか増加しないのが問題です。毎年ピンクリボン運動や東京タワーのライトアップ、各地でのウォーキングによる啓発活動なども行われています。

乳がんはしこりで気づくことが多いのですが、しこりとして触れるくらい(1センチメートル)になるのに10年くらいかかるといわれています。大きくなればそれだけわかりやすくなるわけですが、これをできるだけ小さいうちに見つけようというのが乳がん検診です。

なかには自分でしこりに気づいていても、怖いとか乳房を手術するのが嫌だといって、受診を先延ばしにする女性もいます。2センチメートル以下で見つければ5年生存率は90%以上、またそのしこり周辺だけを切除すればいいともいわれます。もし2センチメートル以上なら、薬で縮小して、部分切除する方法も行われています。

以前の乳がん手術のように乳房全部を摘出するとは限らなくなっています。そのためにも早期発見が重要です。

乳がんのリスク因子は、初経が早い、閉経が遅い、高齢出産、出産や授乳の経験がない、家族に乳がんに罹った人がいる、肥満などがあげられます。しかし確実な予防法はなく、20歳を過ぎたら年に1回の定期検診を受けることをおすすめします。

アイル女性クリニック 院長 加藤季子

投稿者 セメント商工健康保険組合 : 2008年07月15日 08:00 : 無断転載を禁じる