2008年1月号 タバコがポトリと落ちた
一過性脳虚血を見逃すな
Tさんは51歳、某出版社の編集長です。日に50本のヘビースモーカーで、毎晩のように深酒とカラオケ通い。会社の健診では毎度保健師さんに叱られております。
そのTさん、昨年10月末に奇妙な体験をしました。家の食卓でタバコをくゆらせながらテレビを見ていた時、指にはさんだタバコをポトリと落としたのです。一瞬指先に違和感を感じたが、すぐ治ったので気にもしませんでした。ところが約一ヶ月後のある朝、決定的な異変がやってきました。いつもの時間に目覚めた時、なんと左半身が全く動きません。救急車で入院したS病院の診断は「脳梗塞」。脳出血、クモ膜下出血と並ぶ脳卒中の一種です。
脳梗塞には
- 脳の細い動脈に血栓が詰まる脳血栓症と、
- 心臓や首の太い動脈に出来た大きな血栓が流れ流れて脳の動脈に詰まる脳塞栓症
がありますが、Tさんの場合は1.の脳血栓症でした。
いずれにせよ血栓の詰まった血管は行き止まり。そこから先の脳の組織は酸素も栄養も受けとれず部分的に死んでしまいます。症状は左右どちらか片側の手足が動かず感覚が鈍る片マヒ、言葉が出ない、ロレツが回らない、片目が見えないなど。でも中にはこのような症状が全くなく、いつの間にか認知症が始まる「無症候性脳梗塞」もあります。
それにしても、Tさんが最初に感じた奇妙な体験ですが、専門医のお話によると、これも血栓のイタズラで「一過性脳虚血」俗に「ミニ発作」というもの。
血栓が脳の細い血管に詰まったが、すぐ溶けて流れてしまい2から3分から長くても24時間以内に何ごともなかったように回復するごく軽い脳発作。
でもこれは、いずれ確実に本物の脳梗塞がくるゾ!という前ぶれだから即検査が必要と警告しておられました。
では起こしやすい人ですが、
- 高血圧、
- 高血糖、
- 心臓病、
- 高脂血症、
- 腎臓病、
- 脳卒中の家系、
などがある場合。
日常生活の中での注意事項は
- 1.1日10g以内の減塩食、
- 2.禁煙、
- 3.減酒、
- 4.肉の脂肪をとり過ぎない、
- 5.肥満を防ぐ、
- 6.毎日30分以上の運動をする、
- 7.ストレスをやり過ごす工夫などを確実に実行する
ことだそうです。
投稿者 : 2007年12月15日 08:00 : 無断転載を禁じる
