2006年12月号 突然やってきた帯状疱疹
皮膚がピリピリ痛む
M子さんは65歳、猫と2人暮らしの健康老人です。ところが昨年暮れのある夕方、急に左脇の下にピリピリという痛みを感じました。見ると米粒大の水ブクレが5~6個できていました。
不審に思いながらも夕食をすませ、入浴しようと浴室で衣服を脱ぎ、何気なく鏡を見て驚きました。さきほどの脇の下のと同じ水疱が、行列を組んで左の背中から脇の下を通り、乳房の下にかけて、ピンクの帯のように取り巻いているではありませんか。
痛みと不安の一夜を過ごしたM子さん、翌朝一番で近くの皮膚科にかけこみました。顔見知りのドクターの診断は「帯状疱疹」。なんでも子どもの頃に罹った水疱瘡(水痘ウイルス)が背骨から出る神経の根元に隠れて住みつき、家主である人間の体力が弱った頃を見はからって神経を伝い悪さをするのだとか。
水痘ウイルスとは、あの口のまわりに現れる単純ヘルペスⅠ型と陰部に出る同Ⅱ型の仲間ですが、やや違う第3のヘルペスウイルス。たいてい2歳~6歳、さらには10代の若者がよく罹ります。また知らぬ間に罹って(不顕性感染)ウイルスを持っている人も少なくありません。
さて背骨の神経の根元に隠れているウイルスですが、左側に住んでいたものならM子さんのように左背中から前方に帯状の水痘の行列になりますが、時には肋間神経や顔面にくる三叉神経・上顎神経の根元にいるものは、その神経の沿線上に水疱を現します。
この水痘ウイルス、最初は人から人への伝染病ですが、帯状疱疹として現れた場合は人にうつす心配はないので誤解のないように。もしも思い当たる症状を感じたら5日以内に皮膚科へ。
いったんこじらせると、水痘は治っても、あとにしつこい痛みが時には何年も残るのでご用心を。
罹りやすいのは男女共に40歳以降。カゼを引いた、雨に濡れた、残業続きで疲れた、心労などが続き、体の免疫力が低下した時にやってきます。応急処置としては、手持ちの精神安定剤を服み、冷または温どちらでも好きな方の湿布を。市販の痛み止めは効かないので念のため。
投稿者 : 2006年11月15日 10:10 : 無断転載を禁じる
