2006年10月号 突然心臓がとびはねる

不安神経症の一種

突然心臓がとびはねるTさんは57歳、大手企業の部長です。タバコは10年前にやめ、酒も付き合い程度。会社の定期健診は毎度異常ありません。

ところが昨年3月のある朝、部下と仕事の打ち合わせをしたあと、急に心臓がとびはねるような動悸(どうき)に襲われました。次いで震えと目まいがおき、約5分後におさまりました。「これはただごとではない」と思ったTさん、すぐに会社の契約病院へ行きました。病院では心電図検査のほか、いろいろな検査を受けましたが、すべて異常なく、結局「心臓神経症」と診断されました。

心臓神経症とは不安神経症の一種で、心臓は極めて健康なのに動悸・息切れ・胸痛・胸部不快感などの症状があらわれます。
これは不安・緊張・恐怖といったストレスにさらされたために、身体の自動調整機である自律神経の働きに狂いが生じたことが原因です。
こうした異常は心臓以外の臓器、つまり胃、腸、膀胱などにもおこります。
心臓の場合はTさんのような動悸・目まいなどに襲われ、ときには失神することもあります。
専門医によると「これらは心筋梗塞など心臓の器質的な病気ではなく、心臓の動きがギクシャクする機能的な異常です。
そこでこういう患者さんには、まずホルター心電図検査(小型の機器を身につけて24時間心電図を記録する検査)やいやな感情を起こさせて変化をみる情動テストを行います。
その結果、器質的異常のない場合には心臓神経症の治療をはじめます」また、「治療は精神安定剤などを用いた薬物治療と、不安や緊張の根源をとりのぞくための心理療法・行動療法を行い、趣味の時間をつくることをすすめます」とのこと。
思い当たるふしがある人は、まず心療内科に行ったほうがいいそうです。

かかりやすい人は、男性だと20~30代と定年間際の企業戦士。入社・昇進・単身赴任など、人生で新しい対応がせまられたとき。
女性は30~40代で、子育て、嫁・姑・夫との間に問題があるとき、更年期など、やはり人生の節目に多いようです。
こうした時期にあたる3~5月ごろが要注意とする医師の指摘もあります。

投稿者 : 2006年09月15日 10:25 : 無断転載を禁じる