2012年2月号 親子それぞれの心配事
親のことで一番心配なのは何か、と母一人子一人の息子(42)に問えば「お金があるかないかです」と即答。いくらお金は生活に必要とはいえ「身も蓋もないお答えね」と不快感を表すと「僕、お金ないから。もし母が寝たきりになっても、介護費用を出せないので」と言い訳する。あるかないか聞けばいいのにと促せば「いや〜ボク、男ですから、そんなみっともないこと聞けないです」。
「みっともないと思っている方がよほどみっともないわよ」と言いたいのを我慢したが何かすっきりしません。
娘、息子をもつ70代前半の母親に同じ質問をしました。「子どものことで最も気になるのは何かしら」、やはり「一番はお金です」と答えました。
会社の倒産、リストラなどで職を失ったり、病気や災難に見まわれた時に備える「貯金はあるのかないのかがとても心配です」と真剣な面持ちです。
日々の暮らしは年金だけ、貯えは葬儀や介護費用だから「子に回すお金はありません」と冷静です。
一昨年の夏に高齢者所在不明事件が続出した時、友人が「全く役立たずの年寄りだったんだ」とつぶやくのを耳にしドキッとしたものです。誰だって絶対に貧しくはならぬという保証はないのですから。
やっかいものでも役立たずでも、子の顔や名前を忘れても、病気でも、お金がなくても「あなたは大事な人よ」と私は笑顔で言ってもらいたい。
そんな親子関係はどうすれば可能なのだろう。おせちを頂きながらおトソの力も借りて本音で話し合いましょうよ、お正月ですから。
野原すみれ 『死ぬまで元気に自分流』・著者
投稿者 : 2012年01月15日 08:00 : 無断転載を禁じる
