2008年10月号 6つの“こ”食
「食」とは何かを考えたことがありますか。三大欲求の1つで、生きていくために不可欠なことであり、さらに「くらしをたてる」「やしなう」「祭る」という意味まで含まれているのです。このように、人間にとって意味深い食行動が今、危険にさらされている現状について、6つの“こ”食という視点で考えていきたいと思います。
皆さんが“こ”食と聞いて思い浮かぶものは何でしょうか。代表的なものとしては、1人で食べる「孤食」が挙げられます。通常の食事を1日3回とすると、昔は家族一緒に食べるのが1日に約2.1回であったのに対し、現在では1日1回にも満たないといわれています。そしてこの「弧食」が、別々のものを食べる「個食」や好きなものしか食べない「固食」につながります。また、濃い味を好む「濃食」や、粉を使ったものを中心に摂る「粉食」、食べる量が少ない「小(少)食」も問題の食べ方です。
これらは、好き嫌いが増える、栄養が偏よるといったことのほかに、肥満、痩せといった身体の問題と、社会性・協調性がなくわがままになる、キレやすくなるといった心の問題も引き起こすと考えられ、社会問題にもなっています。
そこで、解決策の第一歩として、食材を目で見て買い、家庭で調理してみてはいかがでしょうか。栄養の偏りを防ぐと共に、安全な食事が提供できます。また、食事に興味のない子は一緒に料理をすることで手作りの楽しさ、嬉しさ、美味しさ、そして感謝の気持ちを学ぶこともできるでしょう。そのうえ、食卓で交される何気ない会話のなかから癒しをえたり、コミュニケーション力を学ぶこともできます。
近年話題に上がることの多い、生活習慣病や心の病、社会問題などは、実は一人ひとりが足元(食事)を見直すことで改善できると考えられます。
あなたにとって「食」とは何ですか?10月は健康強調月間です。この機会に、自分の豊かな生活のため、大切な家族のために今一度“食”の視野を広げ、見直してみてはいかがでしょうか。
女子栄養大学 栄養クリニック 管理栄養士 露崎可菜
投稿者 : 2008年09月15日 15:44 : 無断転載を禁じる
