2006年8月号 話題のファイトケミカルとは
このところ、がんや老化予防によいと各種のファイトケミカル(フィトケミカル)が話題になっています。ファイト(フィト)という言葉はギリシア語で「植物の」という意味で、ファイトケミカルは日本語では「植物性化学物質」と訳されます。これは植物が紫外線の害や虫の毒から身を守るために役立つ成分なのですが、例えばトマトやスイカの赤、ブロッコリーの緑、人参やカボチャの黄色、ぶどうや赤ワインの赤紫など、野菜や果物の色素や香り、辛み、苦み成分として約1万種類も見つかっています。ファイトケミカルは、蛋白質やビタミンなどの栄養素と異なり、摂る量が少なくても欠乏症は起こしませんが、適度に摂ることで、がんや老化を進める活性酸素を中和する、抗酸化作用が注目されています。
例えば赤い海藻に含まれるアスタキサンチンは食物連鎖の結果、桜エビ、鮭の赤い色素として含まれます。この物質にはビタミンEの1000倍もの強い抗酸化力があり、がんや動脈硬化のほか、皮膚の免疫力低下を抑える作用、正常な睡眠リズムを維持する働きも報告されています。
また、とうもろこしやほうれん草、ブロッコリーに含まれる黄色い色素のルテインは、加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)や白内障、乳がんのリスクを下げる可能性が報告されています。
その他、もずくやわかめ、昆布など褐藻類(かっそうるい)のぬめりのもとであるフコイダンは、食物繊維の一種ですが、免疫強化や胃潰瘍の原因と言われるピロリ菌を減らすといった抗腫瘍作用、がん細胞を自滅させるアポトーシス誘導作用などが報告されています。
見た目の彩りがきれいな食事は、目を楽しませて満足感につながるだけでなく、からだによいのです。心とからだを喜ばせるためにも、野菜類を毎食楽しみたいものですね。
新出 真理
(ヘルスサポート研究会カナン代表・管理栄養士)
投稿者 : 2006年07月14日 11:26 : 無断転載を禁じる
