2012年1月号 全国大会で4項目の決議を採択 「公平な負担と公費の拡充」実現へ

全組織挙げ政策活動を展開

副呼称に「皆保険維持に向け、納得できる公平な負担を!」を掲げた「平成23年度健康保険組合全国大会」が11月21日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されました。同日の大会には健保組合関係者ら約4000人が参集。政府が具体化の検討に着手した社会保障と税の一体改革などへの対応策について協議、「全世代が納得できる公平な制度改革の早期実現」など4項目の決議を全会一致で採択しました。

「まさに崖っぷち」―大会決議が指摘するように、わが国の社会保障を根底で支える医療保険各制度は深刻な財政危機に直面しています。労使による民主的な運営で財政の自立度が高いとされる健保組合も例外ではなく、平成21年度には史上最悪の5234億円(22年度は4154億円)の赤字を計上。協会けんぽも同様に、同年度に約4800億円の赤字決算となり、その後、保険料率を2年間で9.5%まで引き上げる“荒業”で収支の帳尻を合わせているのが実態。市町村国保の財政も深刻で、21年度の一般会計からの赤字補てん額は3144億円にのぼります。

医療保険の財政悪化は、基本的には高齢化の進行などで年率3%強の医療費の自然増がある反面、保険料収入のベースとなる給与や所得が前年度を割り込むといった財政構造上の問題がありますが、同時に指摘されているのが「前期・後期」の2制度からなる高齢者医療制度の負担の仕組み。65歳から74歳までが対象の前期高齢者医療制度の給付費に公費負担がないために、現役層に負担が偏るといった指摘が制度発足当初からあり、昨年の第174通常国会では「公費拡充」を求める附帯決議が参院厚生労働委員会で採択された経緯があります。

こうしたなかで、政府が示しているのが今年6月に決定した「社会保障・税の一体改革成案」。社会保障財源に充てるために「2010年代半ばまでに消費税率を10%まで引き上げる」方針を示し、社会保障改革については、平成27年度時点で約3・8兆円の「充実」財源を確保、うち1.2兆円は入院日数の短縮や介護の重度化の防止など給付費の適正化などで捻出する構想を掲げています。

「一体改革成案」は、社会保障の“セーフティーネット機能”を強化し、増大が避けられない社会保障給付費に要する公費を消費税で確保する方針を明確にした点で高く評価されますが、問題は高齢社会に備える屋台骨である高齢者医療と介護に対する公費拡充の道筋が示されていないことです。その意味で、今回の全国大会決議は、公費拡充の必要性を改めて示し、政治の場での決断と実行を強く迫ったものと言っていいでしょう。

健康保険組合全国大会スローガン(決議事項)

  • 現役世代が納得できる公平な制度改革の早期実現
  • 高齢者医療制度に対する公費投入の拡充と安定財源の確保
  • 制度の維持安定に不可欠な健保組合方式の堅持
  • 改革実現までの健保組合に対する財政支援の実施

投稿者 : 2011年12月16日 10:21 : 無断転載を禁じる