2011年1月号 平成22年度健康保険組合全国大会

皆保険維持に公費拡充を 全会一致で3項目の決議を採択

2011年1月号 平成22年度健康保険組合全国大会副呼称に「皆保険維持に、公費拡充待ったなし!」を掲げた「平成22年度健康保険組合全国大会」が11月16日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催されました。同日の大会には、健保組合関係者ら約4000人が参集、高齢者医療制度への公費投入の拡充など3項目の決議を全会一致で採択しました。

3項目の決議は、政府が検討中の高齢者医療制度改革問題に対する健保連の対応指針を示したものですが、なかでも、高齢者医療費への「公費拡充と安定財源の確保」は、医療費の財源負担問題だけでなく、少子高齢社会の社会保障財源のあり方が問われている問題です。
厚生労働省がこれまでにまとめた新制度の枠組みは、

  1. 75歳以上の高齢者のうち、サラリーマン世帯は被用者保険、残りは国保制度に加入する
  2. 給付費財源は現行制度を踏襲し、被用者保険の「後期」支援金を全面的に総報酬割に切り替える
  3. 国保高齢者の保険料負担の増加率が現役世代を上回らないようにする

―などが骨子。

長妻昭前厚労相が昨年11月に示した"検討6原則"を反映した内容といえますが、この案の最大の問題点は、75歳以上高齢者を新たに受け入れる医療保険財政の健全化の道筋が全く見えないことです。

健保組合財政は、制度改正による拠出金負担増で、20年度に3189億円の赤字に転落。21年度は5235億円に赤字額が膨れ上がっています。同年度の協会けんぽの赤字額も4619億円。新制度で1200万人の高齢者が移行する市町村国保も20年度で実質2384億円の赤字決算となっています。

医療保険の財政健全化が高齢者医療見直しの必須条件となるなかで、厚労省が提案しているのが被用者保険の納付金の全額総報酬割。

制度改正で、報酬が比較的高い健保組合、共済組合で負担増となる2100億円と、協会けんぽへの国庫補助金2100億円とが相殺されるため、ここから捻出される財源を公費負担率の引き上げに活用。高齢者や現役世代の負担増を全体的に抑制しようという構想です。

ただ、厚生労働省の構想に対しては、制度改革による公費の純増が700億円にとどまること、社会保障財源確保への道筋が不透明ななかで、特定の保険者の負担増で政策財源を確保することの妥当性、さらには、こうした財源政策による制度持続性への疑問など多くの懸念材料が指摘されています。

15年後に見込まれる社会保障給付費は約140兆円。この間に、医療費は約1.4倍に膨らみ、団塊世代も高齢世代に仲間入りします。急速にすすむ高齢化と医療費増にいかに対応していくか。その一つの方向性を示しているのが全国大会の決議でもあるのです。
健康保険組合全国大会スローガン(決議事項)

  • 高齢者医療制度に対する公費投入の拡充と安定財源の確保
  • 保険者機能が十分に発揮できる医療保険制度の確立
  • 健保組合方式維持のための財政支援の充実・拡大

投稿者 : 2010年12月15日 09:30 : 無断転載を禁じる