2011年12月号 11月21日に健康保険組合全国大会

「社会保障・税一体改革」など協議 健保組合の「活動指針」採択へ

国民の4分の1の医療保険をカバーする健保組合関係者が一堂に会する2011年度の「健康保険組合全国大会」が11月21日、東京・千代田区の東京国際フォーラムで開催されます。同日の大会では、政府が構想を明らかにしている社会保障と税の一体改革、高齢化で急増する医療費の効率化問題などへの対応策を協議、全健保組合が向こう1年間に取り組む活動指針を大会決議として採択する方針です。

医療保険などから支払われる2011年度の医療給付費見込み額は33.6兆円。
厚生労働省の推計では、25年度には53.3兆円の給付規模となり、65歳以上の給付費が全体の66%まで上昇。この間に、国民の保険料負担は約9兆円増加するとみられています。

医療費の支出構造が高齢者へとシフトするなかで増勢傾向を強める高齢者医療費。政府が来年早々にも法案化をめざす高齢者医療制度など医療関連制度の改革は、人口構成など社会構造の変化を踏まえ、少子高齢化で疲弊が進む現役世代の負担軽減に道筋をつけ、医療保険の財政悪化に歯止めをかけることができるかどうかが最大の焦点です。

現行の高齢者医療費の負担方式は、65歳以上高齢者を「75歳」で「前期高齢者」と「後期高齢者」に区分。前期制度の医療給付費は高齢者の加入率を指標とする調整拠出金で全額を賄い、後期制度は給付費の50%を公費(税)で賄う方式。

前期制度に税投入がないために費用を拠出する医療保険の財政負担は重く、健保組合を例にとると、09年度に5234億円の史上最悪の赤字となったのに続き、10年度も4154億円の巨額赤字を計上。保険料に占める拠出金割合は全組合平均で43%、6割以上を高齢者医療費の拠出に充てる組合も100組合を数えます。

政府は高齢者医療制度改革会議の「最終まとめ」、「社会保障と税の一体改革成案」などを通じ、今後、必要となる施策を網羅的に示してはいますが、これらの改革によって何が実現し、社会保障がどのような姿になるかは描き切れていません。

「後期高齢者医療制度の廃止」を軸に、


  • 国保財政運営の都道府県単位化

  • 後期高齢者支援金の総報酬割の全面導入―

などを骨子とする高齢者医療制度の改革も着地点は見えていません。財政安定化への切り札とされた公費拡充が先送りされ、その後にまとめられた政府の一体改革成案で、高齢者医療に影響する「医療費の自己負担限度額の見直し」「外来受診時定額負担制」など、改革案との調整が必要となる新規施策が提案されているからです。

言うまでもなく、高齢者医療は、医療保険、年金保険、介護保険、医療機関、中央・地方行政などさまざまな社会機構が重層的に支えることで成立しています。改革原案がこうした体系全体を視野に入れた内容であるかどうか、法案化を前に野党提案を含め、原点に立ち返った検証が必要になっています。

このほか同日の大会では、一体改革成案が掲げる


  • 入院日数減で4300億円

  • 外来受診の適正化で1200億円―


など総額7300億円の医療効率化策を含め、医療費適正化と保険者機能の強化策も討議の議題とする予定です。

投稿者 : 2011年11月19日 17:45 : 無断転載を禁じる