2007年3月号 6年ぶりの出生数増でも人口は減少

長期的な少子化対策の充実で社会保障への不安解消を

出生数と死亡数厚生労働省が元日に発表した「平成18(2006)年人口動態統計の年間推計」によると、出生数は108万6000人で、前年より2万3000人増加する見込みであることが明らかになりました。出生数の増加は6年ぶりのことです。一方、死亡数は109万2000人と、前年より8000人増加する見込みです。これにより出生数は増えたものの、人口がおよそ6000人減少すると推計されています。昨年から2年連続の人口減少です。出生数の増加は朗報といえますが、これは団塊ジュニアの出産が増えたことが大きな要因で、一時的な傾向と見られています。

政府は06年6月に新しい少子化対策をまとめ、子育て支援策、働き方の見直し等、さまざまな角度から総合的な対策を講じようとしています。07年度政府予算案にも、児童手当の乳幼児加算の創設などが盛り込まれています。

しかし一方では、少子化を反映してか、06年の暮れに発表された「平成16(04)年社会保障を支える世代に関する実態調査報告書」(厚生労働省)によると、年金や医療、介護などの社会保障に関する将来への不安を現役世代が抱えていることがわかりました。調査(複数回答)では、「公的年金が老後生活に十分であるかどうか」という設問に対して、年金に不安を感じている現役世代(20~59歳)は76・3%、「医療や介護が必要になり、その負担が増大してしまうのではないか」と感じている人は46・6%に上りました。ここ数年、年金、介護、医療と続いた制度改革ですが、その持続可能性は、今後の少子化対策の成果によるところが大きいといえます。

ライフスタイルが多様化するなか、若い世代はさまざまな選択肢を望んでいます。まずは子どもをもちたいと思う人が、安心して子どもを産み、育てることができる環境づくりを進め、それによりさらに後に続く世代が安心して子どもをもつことができる社会保障制度の充実が求められています。

投稿者 : 2007年02月15日 10:51 : 無断転載を禁じる