2007年12月号 厚生労働省に対し、健保連・日本経団連・連合が共同意見
「政管健保への国庫負担 肩代わり案」に 3団体は「強く反対」!
「自立と共生」を理念に掲げ、福田康夫氏が9月に首相に就任。新内閣が発足しました。その福田内閣の初の予算編成で焦点の1つとなるのが「政管健保への国庫負担肩代わり案」の議論です。
8月に厚生労働省が提出した平成20年度予算の概算要求では、社会保障関係費の自然増分7200億円のうち、2200億円を削減した数字を織り込んでいます。その削減策の1つとして検討されているのが「肩代わり案」。政管健保への国庫負担の削減と、それに伴う財源を健保組合など被用者保険間の財政調整で捻出するという考えです。この案をめぐって、20年度政府予算案が閣議決定される年末にかけて議論が本格化することになります。
健保連や健保組合では、「肩代わり案」に対して関係団体との連携を深め、断固反対・阻止する活動を展開していきます。11月14日に東京国際フォーラム(東京・千代田区)で開催される、平成19年度健保組合全国大会のスローガンにも盛り込む予定です。
それに先だって9月20日、健保連、日本経団連、連合の3団体は、「共同意見」をまとめ、厚生労働省に提出。3団体が揃って「肩代わり案」に反対する姿勢を明確に打ち出しました。
厚生労働省は、「肩代わり案」を「格差の解消方策」としたうえで、「(医療保険制度の)一元化の方向性にも沿うもの」と位置づけています。しかし、一元化の問題については、国会でも充分な議論が必要であり、国民的な合意が得られなければなりません。まして、国の歳出削減ありきで論議されるものではないはずです。健康保険料を通じた所得の調整によって一元化(格差是正)を図るとしている厚生労働省の考えは、国民的な合意が得られるにはほど遠い「場当たり策」と言わざるを得ません。
それぞれの健保組合はさまざまな運営努力をしています。国庫負担の「つけかえ」による負担転嫁は、自主・自律を基本とする制度の根幹を揺るがす問題なのです。
20年4月からの制度改正に伴い、新たな高齢者医療制度への支援や特定健診・保健指導にかかる費用など健保組合には新たな負担が求められることになります。さらに拍車をかけて「肩代わり」となった場合、多くの健保組合が保険料率の引き上げを余儀なくされ、皆さんの「痛み」となって跳ね返ってくるのです。
公平で持続可能な医療保険制度の実現のためには慎重な体系づくりが必要です。「肩代わり案」をめぐる今後の議論の動向に注視してください。
投稿者 : 2007年11月15日 08:02 : 無断転載を禁じる
